先週の経済分析

気になる数字

国際収支が出るのを楽しみにしていました。経常黒字88%増です。所得収支は10.7%減です。所得収支は円高を加味するともうちょっと縮まるものなのかも知れません。
貿易収支よりも所得収支が数字として大きいものの、3月に比べ大きく減っている(3月の所得収支は16540億円)ので、調べてみました。
過去の数字を眺めていると毎年3月に所得収支が上がっていることに気がつきました。この要因はなんだろうと調べましたが、結局わかりませんでした。予想では、日本にある法人が決算期にあわせて、海外から資金を配当として、吸い上げているのではと考えました。外国子会社配当益金不算入制度により、日本に流入する所得収支は増えると思います。GDPには繁栄されない数字ですが、企業活動や消費行動に影響を与える数字であると考えます。

マーケットの大きさ

百貨店のマーケットの大きさを聞かれ答えられなかったのをきっかけに、ある程度のマーケットの大きさを調べました。
2010業界地図(一橋総合研究所)
最高の本がありました。

鉄鉱石23%値上げ通告

2009年からは2.4倍です。
鉄鉱石の値上げ通告を受け上期原材料だけで鉄鋼全体で9000億のコストアップとありました。その分を価格転嫁するのに日本の鉄鋼関係の会社は苦労しているようです。さらには、世界の鉄鋼の多くを占める中国にもその影響は及ぶと思われます。業種的には車、建設等が価格転嫁できない場合、また造船など注文時の値段でできないなど、影響はあります。設備投資が戻らない中、積極的に設備投資ができない要因になると考えられます。
逆に資金のある会社は設備投資を急ぐかもしれません。
日本の場合鉄骨・鉄筋コンクリートの建設は、2007年の建築基準法改正も絡み、強度を確保するため、より多くの鉄を使用するようになったのでダブルパンチです。

企業の公的負担率50.4%

日本「非常な高水準」とありましたが、50.4%・・・非常に違和感を感じました。
もっとあるだろう!
法人税だけでなく、固定資産税や社会保険料も含めると、経常利益と同じぐらいの額負担している感覚なのですが・・・利益が少ないのかな・・・この統計を取った数字はどこを対称にしているのかと思い調べたところ、2006年―2009年の統計、自動車や鉄鋼など主要企業95社への聞き取り調査とのこと・・・少しだけ納得しました。

機械受注
4月機械受注が前月比4.0%増の7619億円となり、政府は「持ち直しの動きが見られる」と上方修正しました。非製造業が5.3%増、製造業はマイナス5.5%減です。
また、工作機械受注は前年同月比で2.9倍でした。
機械受注、工作機械受注が持ち直してきたことにより、今後、工場等の大型設備投資に向くかどうか見守りたいと思います。そのためには、需給ギャップの改善に注目していきたいです。
先週発表された1−3月期法人企業統計ででた設備投資、前期比2.6%減・前年同月比11.5%減がどう回復していくか、こちらの数字も見極めたいと思います。

GDP改定値

民間予想を裏切る形となりました。過去の数値も修正され09年4−6月期と7−9月期も下方修正、10-12月期は上方修正になりました。10年1−3月期は前期比年率5.0%となりました。10年1-3月期名目は5.4%です。
09年度の実質成長率は-2.0と下方修正されました。

10年1−3月期、喜んでよいのか?
名実逆転解消!です。予断は許さないがデフレが解消?といって良いのでしょうか?
先週発表された1−3月期法人企業統計ででた設備投資の数字前期比2.6%減と1-3月GDPの改定値での設備投資0.6%増とのギャップはどう説明すれば良いのでしょう?

景気の波

暫定的に今回の景気の谷が2009年3月となったということです。
ということは、ただいま景気の拡張期16ヶ月目です。計算したところ景気の拡張の平均期間35ヶ月。最長が前回の69ヶ月。最短がIT景気の22ヶ月。